前回は部品を注文したところまででした。今回は組み立てるところから。
このシリーズで言うハイライトになります。
久々に今まで所有していたキャブレターを総動員するので、少々長めの記事となります。
尚、注文した部品はこちらのKEYSTARさんの燃調キットになります。
ここまでの流れ
・その1 (燃調セット注文編)
★その2 (キャブレター組み立て編)←本日の記事
・その3 (キャブレター微調整編)
朝早く起きてちゃちゃっと朝ご飯を済ます。今日は気温も暖かいし、本当は走りたいところですが、整備するにはもってこいのコンディション。
作業着に着替えて早速取りかかります。
キャブレター取り外し
まずはキャブレターを車体から取り外します。久々に少しばかりの不安とワクワクが入り乱れる、取り外し。
燃料コックはブラケットから?タンクの前にホース…
と久々の取り外しで思わぬタイムロスをしてしまいました…(;´∀`)
車体とは別に車庫にある2つのキャブレター。
左が一番最初に装着されていた1代目。右が部品取りから取り外した2代目。
キャブレター比較 1代目 51Y後期型(丸目灯仕様)
セカンダリーの上蓋が黒く塗装されてる、購入時に装着されていたキャブレターです。
これは息継ぎが止まらず…。
アイドリングでシャックリをしているかのように、バババババ…バ……バババババ…
そんな調子だったのでツーリングも安心してられず。アイドリングの時にシャックリするとストールしてしまいますしね。
そんな中、オーバーホールを何度か行うも部品取りのキャブレターと入れ替わる形でバトンタッチしました。
キャブレター比較 2代目 51Y前期型(四角目灯仕様)
こちらはおそらく長い間放置されていたであろう、部品取り車からのキャブレターとなります。
化石状態のガソリンをパーツクリーナーとガソリンできれいに掃除して復活させました。ただ、チョークが壊れているのか…始動がダメでした。
ただし、始動性が悪いなりに自分でガソリンを入れてエンジンをかけてやったりと騙し騙しで約1年活躍。
何より燃費がものすごくよかったです。
しかし始動性の問題を解決するために3WPキャブレターと入れ替わる形でバトンタッチ。
只今紹介した2個のキャブレターの良いところと燃調セットを組み合わせて復活させるという今回のミッション。
タンク取り外し→キャブレター取り出し…と外していきます。
配線が多いのはETCやらシガーソケットです。これも今回きれいにまとめておかないと。
そして今まで装着されていたキャブレターを外す。
3代目 3WPキャブレター(装着品)
長い間お世話になっていた3WPキャブレターも、元は1990年に発売された後期型(型式:3WP)です。
規制が入った後期型ですが、特にアンマッチはなく装着できました。パワーは町乗りにちょうどいい出力になったような気がします。
しかし、本来の力を引き出すには3WPキャブレターではなく、やはり51Yキャブレターなので、今回本腰を入れて修理することにしました。
組み替えのベースは51Y前期型を使います。51Y後期型の持病だった息継ぎを直すのは難しいと判断。
51Y前期キャブレターは始動性を除けばその他は好調ということからベースにしました。
51Y前期型キャブレター清掃
まずはガソリンで軽く外装をきれいに。
およそ4年振りくらいに分解を行います。
セカンダリー側。
ダイヤフラムに破れ等がないことを確認してから組み付けていきます。ダイヤフラムもおそらく欠品なので慎重に扱わないと…。
問題の効かないチョーク。果たして…(^^;
フロートの油面もしっかり調整しないといけません。何だか見た感じ曲がっていたので。
この燃調セットにはメインノズルやパイロットスクリューに取り付けるゴム類も全て備わっています。一つ一つ注文しなくて良いのは助かります。
続いてガソリンで本体もしっかりと掃除します。
時間はまだ朝の7時。相手は精密部品。歯ブラシと細い針金を使って念入りに掃除していきます。きれいと思っていたのですが、まだまだ汚れが落ちてきます。
何十年と放置されていた汚れはそう簡単には落ちないってことですね。
同じくプライマリー側も全て分解。当時は毎週のように分解していたので手順を覚えていましたが、久々にやると忘れていますね…。
サービスマニュアルを見つつ、分解分解。
この際なので復活しても見栄えが良くなるように、外装もしっかりときれいにしておきます。きっと取り付けたら細かい箇所まで掃除ができないですしね。
続いてスロットルバルブを取り外していきます。
よーく見たらプライマリージェットニードルに曲がり&傷がありました。
経年劣化でしょうか…?
可動部も念入りに。合わせてチョークであるスタータプランジャも一緒に。
コースティングエンリッチは状態が良いものに交換していきます。
左が51Y後期型で右が51Y前期型のコースティングエンリッチ。
状態が比較的良さそうな左手(51Y後期型)を採用します。
プライマリードレンスクリューは純正品がプラスネジですが、今回の交換品はマイナスネジでした。
左が新、右が旧…一目瞭然です。
すっからかんになったフロート室。ここからメインジェット等を総取り替えしていきます。
先ほどのプライマリードレンスクリュー。マイナスです。
ガスケットは付属の新品に。
ちなみに写真上側のスタータジェットに大量の化石になったガソリンが入っていました。。もしかしてこれが原因でうまくチョークが作用していなかった可能性が。
ニードルバルブ、ニードルの交換。
写真中央のニードルは化石になっていたガソリンで固着していました。何とか動くようになったのですが少し曲がっていました。
プライマリーメインノズル
パイロットスクリュー
しかしこうやってセットになってくれているお陰で調整もしやすいのが本当に嬉しいですね(^^)
説明書には丁寧に診断リストまで付いていたので、今自分のバイクがどんな状況かで診断することもできます。
パイロットスクリューにOリング、スプリングを取り付けてトップミキシングチャンバへ。
段々と組み上がって来ました。焦る気持ちを押さえつつ、一つずつ丁寧に…!
ここで簡易油面調整を行いました。2代目のフロートは少し曲がっていたので、ここは1代目のフロートを流用しました。
フロートの簡易調整が終わった後にスクリューを取り付け忘れていたことに気付く。
慌てて再度分解…。
そしてセカンダリー側のニードルバルブも交換し忘れ。笑
セカンダリーメインジェットも同様に交換。#80。
大事な高回転のセカンダリー側のダイヤフラム。
当時は画期的なアイテムだったのですが、その後はほとんど採用されず。
よく使いにくいという声を聞きますが、私はレスポンスがダイレクトに伝わってきて結構好きなんですけどね。
完成
途中組み付け忘れがありましたが、何とか組み付け完了!
セカンダリー側とプライマリー側を繋ぐブリッジことアッパブラケットを締め付けて連結。
いよいよ車体へ取り付け…!
車体へ取り付け
この後お昼ご飯を挟み、組み付け。ただ今回は組み付け中の写真はありません。
早く試したいという気持ちのせいか、夢中で作業していたので…(^^;
…と言うことで、早速全体図。久々にこのアングルで。あえて全体図を載せる必要は全くないんですけどね。。
キャブレターの外観こそ変化はないものの、中身はほぼ新品で組み上がってますよ。ニヤニヤが止まらない。
早速エンジンキーをオンにして、燃調コックもオン。
プライマリードレンスクリューを緩めてガソリンが来ていることを確認し、セルスイッチを押す。
YDIS、復活なるか…。
キュルルキュルル………
キュルルキュルル……
あれ、掛からない。
キュルルキュルル…
キュルル……
キュルル…
バババババ……!
かかった!\(^^)/
いつもの単気筒のず太い排気音が響き渡りました。
最初なかなかエンジンが掛からなかったのは、おそらくキャブレター自体にガソリンが空だったのが原因ですかね?
エンジンが温まってからの吹け上がり、レスポンス、アイドリングは共に好調です。
息継ぎやストールも特に無く、今のところ成功…?
まだ冷寒時の始動を試していないので、完全復活とは言えませんがこの様子なら大丈夫そう。
乗ってみましたが、やはり前期型のエンジンには前期型のキャブレターってことで以前よりも力強くなりました。
次回で最終調整をして終わりとなります。
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