毎日最寄り駅の足として絶賛活躍中のカブ号ですが、最近は雨上がりにシートから雨水がすごい勢いで滲み出てきてしまうようになってしまいました。
どうやら長年使ってきた(約10年)影響でシート表皮が痛んできてしまったようで、そこからスポンジに雨水が貯まってしまい、座るとグシャっとお尻が一気に濡れてしまう仕様となってしまったようです…。
これがそのシート。実際の見た目では分かりにくいんですが、たっぷりと雨水を含んでいる状態です。笑
見た目ではほとんど分からないかと思いますが、座るとジワーっと嫌な感じでお尻が濡れます。笑
通勤で使うので濡れたまま電車に乗るのは精神的に嫌です…。
直すのが面倒だったこともあり、しばらくはタオルをシートに敷いていたのですが、その状態だと滑って操作に影響が出そうなので、重い腰を上げて修理することにしました。
染み込んでくる場所はシートの側面です。縫い目の近くに同じ方向に切れ目があるのが分かるかと思います。
サクっと外します。
カブのシートはボルト2本による固定のみなので簡単に外せます。
1から表皮を張り直してもいいのですが、シート自体に厚みがあってDIYだとシワが発生して難しそうだったこともあり、表皮の破れた部分の修正とスポンジの水抜き(乾燥)で手を打つことにしました。
シート表皮は再利用するので、タッカーを丁寧に外していきます。
マイナスドライバーを突っ込んでタッカーを片方ずつ引っこ抜きます。残った部分はプライヤーを使って垂直方向に引っ張れば簡単に抜けます。
10年も使うとサビがすごく、針が折れてしまうこともしばしば。
全周のタッカーを抜き、続いて表皮を剥いでいきます。
タッカーを外した状態ではシートに被せているだけの状態なので、タンデムベルトを固定しているボルトを外せば簡単に剥がせます。
ペリペリペリ…
内側のスポンジが劣化しているので、パリパリと表皮が剥がれます。ゴミがすごい。笑
分離した表皮とシートスポンジです。
スポンジは思ったより汚くなかったです。
浸水した箇所を中心にちょっと色が変わっていましたが、全体的にはそんなに劣化している様子はありませんでした。
シート表皮はご覧の通り裏地がポロポロと剥がれてしまう状態だったので、もう浸水してきても仕方ないなという感想。
シートスポンジを覆うビニールには破れは見られませんでしたが、浸水していました。
おそらくビニール自体も経年劣化によって目には見えない箇所で浸水してしまっている状態と思われます。
ビニール越しですが、シートスポンジはびっしょり濡れていました。
シートスポンジを覆うビニールを剥がし、それぞれ天日干しで水気を飛ばしていきます。
シートはかなり水を含んでいる状態だったので、上から圧(自重)をかけて水を絞り出してから干しています。
大体3日間は天日干しして、完全に水分を抜きました。
ここで完全に水を抜いておかないと、カビやスポンジの劣化に繋がるので要注意です。
シートスポンジが完全に乾けば、破れている表皮を修理して張り直せば完了となります。
ですが、せっかくなのでここでひと手間加えます。
実はこのシート(正式名称はミディシート)、後方が一段上がっているのです。
この上がりがやっかいで、ちょっとシートポジションを変えたい時に収まりが悪いんです。
元々のカブ純正シートと比べると絶妙に長いのでシートポジションの自由度がかなり上がるのですが、後方の上がり部分が気になるので、ポジションが割と限られてしまうんです。
そこでより自由なシートポジションを手にするために、後方の上がり部分をカットして平らな状態にすることにしました。
いわゆるアンコ抜きです。
点線のCUTと書いた部分をカッターで切りとっていきます。
気になる後方の上がり部分はコチラ。
前方部分と比較すると約30mm程高くなっています。子どもとタンデムする分には良さそうですが、大人2人は無理なこのサイズ。
特にタンデムする予定もないので、カットしちゃいます。
厚みにして30mm程カットします。
長いカッターを持っていないので、下の写真のように分割してカットしていきました。
分割しているので段差が生じていますが、後で整えるのでとりあえずこれでOK。
前と後ろ側の段差が無くなりました。
その後はかなり荒い番手のヤスリ(#100を使用)を使って整えました。
スポンジなので削るとすごいゴミが出るので注意が必要です。汗
シートの角も削ってC面取りしています。
大体の凸凹が取れたところで、細かい修正をしていきます。
今の状態では座った際の段差が気になる状態なので、衝撃吸収シートなるものを貼り付けていきます。
これは家にあったものですが、大体ホームセンターでも売ってます。
ストライダーのシート(下記記事を参照ください)に貼り付けた時のようなシートのイメージです。
家にあったのは薄めのタイプ。
このスポンジシートを段差が埋まるように切り貼りしていきます。
前との段差が一番気になる箇所には、細かく切って座った時の違和感がないようにしました。シートは身体が接する部分なので結構大事です。
段差を埋めた後は仕上げに大きく上から貼り付けて、細かい段差をカバーしていきます。
本当は振動を抑制するジェル(ゲルザブのような)を貼り付けるとより良くなるんでしょうけどね。
※SRX250はシート張り替えの際に振動を抑制するジェルを埋め込んで張り替えしてもらいました。
C面箇所で気になりそうな部分にも貼り付けています。
横から見ると段差を何とか埋めることに成功した感じです。
ここまでくれば、残るはシート表皮を固定していくだけとなります。
シート表皮を貼り付ける前に、破れている箇所を修正していく必要があります。
裏側に貼り付けられているスポンジは劣化が激しいので、全て剥がしました。
破れている箇所には布ガムテープを使って補修していきます。
粘着面を裏返して破れた箇所に貼り付け、その上からガムテープを貼ります。接着面がシート表皮の破れから染み込んでくると嫌なので、その対策です。
経年劣化で結構破れている箇所があります。それでも10年持ったので良い方かもしれませんが。
ひっくり返して穴が塞がったことが確認できれば補修終了です。
どうしてもこの場所は荷重がかかって、負荷が高い場所なので仕方ないです。もしまた破れてしまった場合は表皮自体を変えるしかなさそうです。
続いてゴミ袋を用意しました。
これは表皮とスポンジの間に巻き付けて、スポンジに水が染み込まないようにするためです。
家庭にある普通のゴミ袋を使います。
シートに巻き込みました。
2重になっているので、そう簡単に破れることはないと思います。
ひっくり返して、裏面にはガムテープで仮固定しています。
そして補修したシート表皮を被せます。
この時ゴミ袋がずれないように気を付けないと、また浸水してしまいます。
後はタッカーを使って固定していくだけです。
表皮自体は以前使っていたものなので、適宜引っ張りながらタッカーで打ち込むのみです。まずは前後方向の位置を決めて打ち込みました。
シートはアンコ抜きをした分表皮が余ります。なので前後方向に引っ張って打ち込んだ際にも、後方側はかなり表皮が余った状態になります。
引っ張りつつ、等間隔で打ち込んで表皮の固定が完了しました。
滅多に見られる場所ではないのでそれなりで良いのかなと。笑
最後に余ったゴミ袋をはさみでカットして完成となります。
シートの余り具合がアンコ抜きを物語ります。笑
結構削ったので乗り心地にどう影響するか気になります…。
シートの仕上がりとしては、元々使っていた表皮を再利用しているので何も問題ありません。
きれいに仕上がっていると思います。
アンコ抜きをした後方部分ですが、きれいにフラットに仕上がりました。
パッと見は元々の状態に見られるに違いありません。笑
シートを着けてみました。
一点気になる点と言えば、以前装着していたタンデムベルト部分にしわが寄っているところでしょうか。
この部分は表皮に穴が開いてしまっていたため、同じ位置にボルトを通しています。その結果、アンコ抜きをした表皮の余りがシワという形で出てしまいました。
対策としては元々装着していたタンデムベルトを取り付ければシワは隠れると思いますが、座った際に違和感(お尻にベルトが当たる)を感じて外したので、しばらくはこれで様子見となりそうです。
タンデムベルト固定部のシワを除けば満足いく結果に仕上がったと思います。
後は雨の日の浸水が止まれば御の字です。結果は…雨天走行時にまた報告します。
乗ってみた感想
実際に乗ってみました。
ポジション的には前側に座ることが多いのですが、たまにポジションを後方にずらすことがあります。
その際段差を乗り越えたのですが、アンコ抜きしたこともあり突き上げをかなり感じました。笑
50mm程削るとこうなるよね…といった当たり前の結果なんですが、普段からそんなに後ろに座ることもないので全然OKです。
むしろ削ったことによるお尻の違和感がなくなったことが大きい!
ポジションもかなり自由に取ることができるようになりましたからね。
突き上げに関してはゲルザブ等のシートを敷くという方法もありますし、何とかなると思ってます。
後はガムテープ補修したシート表皮がどのくらい持つのか…また追記します。
おわり
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